100日後、クラスの王子に告白されるらしい
12月03日、水曜日
昼休み、颯くんと進路指導室で大学を調べていた。
「1組のシンデレラ役の子ってさ、あんな子いたっけ? めっちゃかわいかったよな」
なんて廊下から聞こえてきて、颯くんが顔を上げた。
「あー、あの地味子? 3組の三枝から男取ったって」
「マジ? 大人しい顔してやるねー」
ああ、そういう噂になってるんだ。
端から見たらそうだよねえ……なんて思ってたら、颯くんが廊下に飛び出した。
颯くんは背中しか見えなくて表情はわからないけど、相手の2年生の男子2人は怯えた顔をしていた。
「全然違うけど。俺と三枝は従姉弟だから付き合うとかないから。それに莉子には俺が頼み込んで付き合ってもらってるんだから、そんなガセで振られたらどうしてくれるんだよ?」
「な、なんだよ……ただの噂じゃん。マジになんなよ……」
「ふうん。じゃあ、お前に彼女できたら、似たような噂させてもらうわ」
「ちょ、おいっ」
「で、その噂はどっから流れてきたわけ?」
「知らねえよ。なんか、1年が言ってたんだよ」
「そっか。じゃあ、お前に彼女できるの楽しみにしてるわ。できるなら、だけど」
颯くんは言い捨てて、進路指導室に戻ってくる。
「莉子」
「う、うん」
「あと6日だろ。あんなくだらない噂に振り回されんなよ」
「それは、うん。大丈夫」
噂の発生源に心当たりあるし。
むくれた顔の颯くんが安心できるように、微笑んで見せた。
「1組のシンデレラ役の子ってさ、あんな子いたっけ? めっちゃかわいかったよな」
なんて廊下から聞こえてきて、颯くんが顔を上げた。
「あー、あの地味子? 3組の三枝から男取ったって」
「マジ? 大人しい顔してやるねー」
ああ、そういう噂になってるんだ。
端から見たらそうだよねえ……なんて思ってたら、颯くんが廊下に飛び出した。
颯くんは背中しか見えなくて表情はわからないけど、相手の2年生の男子2人は怯えた顔をしていた。
「全然違うけど。俺と三枝は従姉弟だから付き合うとかないから。それに莉子には俺が頼み込んで付き合ってもらってるんだから、そんなガセで振られたらどうしてくれるんだよ?」
「な、なんだよ……ただの噂じゃん。マジになんなよ……」
「ふうん。じゃあ、お前に彼女できたら、似たような噂させてもらうわ」
「ちょ、おいっ」
「で、その噂はどっから流れてきたわけ?」
「知らねえよ。なんか、1年が言ってたんだよ」
「そっか。じゃあ、お前に彼女できるの楽しみにしてるわ。できるなら、だけど」
颯くんは言い捨てて、進路指導室に戻ってくる。
「莉子」
「う、うん」
「あと6日だろ。あんなくだらない噂に振り回されんなよ」
「それは、うん。大丈夫」
噂の発生源に心当たりあるし。
むくれた顔の颯くんが安心できるように、微笑んで見せた。