100日後、クラスの王子に告白されるらしい

12月04日、木曜日

 12月に入って、体育の授業が男女ともにサッカーになった。

 相変わらずルールの説明もなくて、私はゴール前でのんびりしていた。

 試合をしてない子たちは男子の応援をしていて、颯くんはやっぱりきゃーきゃー言われていた。


「莉子ち、妬けないの?」


 キーパーをしている結が男子の方を眺めながら言う。


「んー、そんなに」

「これが本命の余裕……」

「本命って。双葉くんもけっこう言われてるよね」

「あー……そだね」

「妬けないの?」

「な、なんで? 別に彼女とかじゃないし!」


 でも、結って休みの日に双葉くんとゲームのコラボカフェ行ってるんだよね。

 二人で喋ってるとき、空気が柔らかいし。


「莉子ー! 見ててくれたー!?」


 颯くんがゴールを決めて、私に向かって大きく手を振った。


「うん、見てたー!」

「やった! あと5日! 次も頑張る!」


 いや、私も一応試合中なんだけどね。

 ずっと相手側のゴール前にボールがあるから、暇してるけど。


「あ、双葉くんがボール止めた」


 こっそり結に手え振ってる……。

 結も恥ずかしそうにしながら手を振り返してて、2人とも、すごくかわいい。
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