この恋、予定外すぎて困ってます
「涼ちゃんは、俺のことなんだと思ってんの」
気づいたら、涼ちゃんの肩に手を置いてそんなことを聞いていた。
涼ちゃんは、目を丸くして答えた。
「え…私のお兄ちゃんじゃないんですか」
「………」
そうだよ。
俺の方こそ、 何言ってんの。
「そーねー」
そう言って、涼ちゃんの困った顔を置き去りにして風呂へ向かった。
「え、なんですか!?」
涼ちゃんの声が背中に届いたけど、振り返れなかった。
まじで何言ってんの俺。
「俺も男なんだけど」
――言いそうになった自分に、引いた。