この恋、予定外すぎて困ってます
「私のことなんだと思ってるんですか?」
――可愛い妹だと思ってるよ。
変なこと言って、ごめんね。
涼ちゃんに追いつくと、その顔は真っ赤だった。
えー、なにその顔。
…かわいい。
怒ってるのか、照れてるのか、どっちか分かんないけど…
とにかく、かわいかった。
浴衣姿の涼ちゃんは、いつもより何倍も綺麗で、
いくら人がいるとはいえ、これ以上耐えられなくて。
「涼ちゃん、俺もう耐えれないかも」
暑さのせいにして、嘘をついた。
本当は、涼ちゃんの存在が眩しすぎて心が落ち着かなかっただけ。
帰るときも、涼ちゃんを見る男の目が気にくわなくて。
なんで俺がこんなこと想ってんのか、自分でもよく分からなかった。
家に帰ってからも、ずっと考えてた。
涼ちゃんの笑顔。
涼ちゃんの声。
涼ちゃんの手の温もり。
全部、俺の中で特別になってる。
…これって、どういう気持ちなんだろう。