この恋、予定外すぎて困ってます

***



昼休み。

パックのジュースを片手に、 校内をふらふらしてると、 大智が面倒くさそうに言ってきた。



「晴人、今日も探すのか?楽しみに待っとけばいいだろ?」


「そんなこと無理~」



だって、これから一緒に暮らすんだよ?

家で毎日顔合わせるんだよ?

どんな子か、見極めないと。





──────────中学1年のころ。

俺の家は、静かに崩れていった。

母さんが、知らない男を家に入れていた。
リビングに響く、聞きたくもない声。 見たくもない笑顔。

吐き気がした。

初めてその光景を目撃したとき、母さんは俺に近づいてきて、タバコの匂いをまといながら言った。



「晴人、お父さんには内緒よ。お母さんがいなくなったら困るでしょ」



その言葉、 今でもはっきり覚えてる。


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