響け!色彩のフォルテッシモ
レオンハルトも「そうだね」と言うつもりだった。しかし、彼よりも先にリズが発言する。

「いいえ。私が潜入調査をします」

全員の視線がリズに向けられる。彼女は真剣な顔をしており、冗談で言っている様子ではなかった。マーガレットが「ダメよ!」とリズに抱き付く。その目には心配と不安が満ちていた。

「リズ、頭はとても頭がいいわ。きっとセレンデール学園の勉強にだってついていける。でもあなたは人よ。セレンデール学園に人はいないわ」

「ですが、ここで潜入調査が可能なのは私だけです」

リズは真剣な眼差しでレオンハルトを見た。レオンハルトの決定に従うつもりなのだろう。その月のような優しい色の瞳に、レオンハルトは一瞬吸い込まれてしまうような感覚を覚えた。

(綺麗だな)

レオンハルトは、時折りリズに見惚れてしまうことがある。彼女の抱える大きな謎に魅了されているのか。それともーーー。

「レオン。ぼんやりしてどうしたんだい?」

「お疲れですか?コーヒーでも淹れましょうか?」
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