牧師の息子のエリート医師は、歳下医学生に理性が効かないほど夢中です。(旧題:桜吹雪が舞う夜に)
勉強会が終わり、廊下を歩いていると酒井が追いかけてきた。
「御崎先生!」
「……ん?」
振り返ると、少し遠慮がちな表情でこちらを見ている。
「さっき桜ちゃんと……何を話してたんですか?」
心臓が一瞬だけ強く跳ねた。
(……やっぱり、見られていたか)
「……別に。大したことじゃない」
努めて淡々と返す。
「え、でも桜ちゃん……結構、真剣な顔してましたよ」
酒井は追及するでもなく、純粋な好奇心で首を傾げる。