桜吹雪が舞う夜に
ライブハウスを出ると、夜風が熱く火照った頬を撫でた。
さっきまで耳を圧していた轟音が嘘のように静まり返り、まだ鼓膜には余韻が残っている。
「音が、本当に波って感じで、凄かった……」
桜が両手を胸に当てて、目をきらきらさせながら言った。
「インディーズだって悪くないだろ。好きなバンドの出てる対バンとかで新しいの開拓するのとか、楽しいんだよな」
「よく行くんですか?」
「社会人になって頻度は減ったけど……年に2回ぐらいは行くよ」
そう答えながら、胸の奥に小さな照れが生まれる。
「でもいっつも1人だったから、今日は君と行けて嬉しかった」
そう口にした瞬間、自分の言葉に桜がどう反応するか、無意識に気にしてしまう。
「……私もです。日向さんと一緒に、すごく楽しかった」
少し息を弾ませながら笑う彼女。その笑顔が街灯に照らされ、眩しく感じた。
夜のアスファルトには、遠くの信号の赤や青が滲んで揺れている。
胸にまだ残る低音の振動と、隣を歩く桜の笑みが重なり合って、心臓が落ち着かなかった。
さっきまで耳を圧していた轟音が嘘のように静まり返り、まだ鼓膜には余韻が残っている。
「音が、本当に波って感じで、凄かった……」
桜が両手を胸に当てて、目をきらきらさせながら言った。
「インディーズだって悪くないだろ。好きなバンドの出てる対バンとかで新しいの開拓するのとか、楽しいんだよな」
「よく行くんですか?」
「社会人になって頻度は減ったけど……年に2回ぐらいは行くよ」
そう答えながら、胸の奥に小さな照れが生まれる。
「でもいっつも1人だったから、今日は君と行けて嬉しかった」
そう口にした瞬間、自分の言葉に桜がどう反応するか、無意識に気にしてしまう。
「……私もです。日向さんと一緒に、すごく楽しかった」
少し息を弾ませながら笑う彼女。その笑顔が街灯に照らされ、眩しく感じた。
夜のアスファルトには、遠くの信号の赤や青が滲んで揺れている。
胸にまだ残る低音の振動と、隣を歩く桜の笑みが重なり合って、心臓が落ち着かなかった。