牧師の息子のエリート医師は、歳下医学生に理性が効かないほど夢中です。(旧題:桜吹雪が舞う夜に)


そうして十分に時間をかけ、彼女の強張りが和らいでいくのを待った。
一度目の夜は痛みに耐える顔ばかりが胸に残っていたけれど、
今はその奥に、確かに安堵と小さな喜びが混じっている。

「……よし」
小さく息を吐き、彼女の目をまっすぐ見つめる。

そっと覆いかぶさり、視線を合わせた。
「前よりは……落ち着いてるな」

「……はい。少しだけ、怖くないです」
か細い声で、それでもはっきりと告げられた言葉に、胸の奥がじんわりと温かくなる。

「……今度は、ちゃんと気持ちいいって思ってほしい」
固い決意とわずかな自信を込めて囁く。

桜が小さく震えながらも、ためらいがちに腕を背に回す。
その「受け入れる」意志を感じた瞬間、胸の奥で熱が静かに弾けた。

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