桜吹雪が舞う夜に
ゆっくりと重ねるたびに、彼女の吐息が変わっていく。
最初は強ばった声が混じっていたのに、次第に熱を帯びて柔らかく震える音へと変わっていった。
「……桜。大丈夫か」
問いかけると、彼女はぎゅっと目を閉じ、頬を紅潮させながら小さく頷く。
その仕草に胸が熱くなり、理性が揺らぐ。
しがみつく腕に力がこもり、逃げるのではなく、受け入れようとする意思が伝わってくる。
その反応が、痛みだけで終わらせたくないという思いを強くした。
「……そうだ、いい……そのまま任せてくれ」
抱きしめる腕に力を込めながら、彼女の変化を確かに感じ取る。
痛みに耐えるだけだった一度目とは違う。
声も、表情も、少しずつ甘やかに揺れていく。
確かに――“気持ちいい”という感覚を、彼女が受け入れ始めているのを見逃さなかった。