桜吹雪が舞う夜に
『特集 未来の医師たちへ ― 連載記事第二回
東都心大学医学部附属病院 高度救急救命センター
救急医・水瀬瑞希先生インタビュー』
――先生が医師を志したきっかけは?
「子どもの頃から走るのが好きで、陸上部に打ち込んでいました。
でも怪我をして、思うように走れなくなった時期があったんです。
そのとき支えてくれたのが整形外科の先生でした。
“人を助ける側に回りたい”と思ったのが最初のきっかけですね」
――学生生活の過ごし方で大切にしていたことは?
「体力です。救急に行きたいと決めていたので、まずは倒れないこと。
知識や技術は努力すれば伸びるけど、体力は鍛えておかないと裏切られる。
徹夜明けでも走れるぐらいの基礎体力は必要です」
――仕事のやりがいを感じる瞬間は?
「ERは戦場です。考えるより先に動かないと命が失われる。
怖い? もちろん。
でも、目の前の患者が蘇生できた瞬間、すべての苦労が報われる。
私にとってそれは“楽しい”に近い感覚です」
――学生へのメッセージをお願いします。
「“守られる”側でいたいなら、救急には向きません。
必要なのは“前に出る勇気”と“冷静に判断する力”。
自分の限界を知って、それを少しずつ押し広げていくこと。
女性だから、若いから、といった言い訳は一切通用しない世界です。
それでも飛び込みたいなら、私は歓迎しますよ」