牧師の息子のエリート医師は、歳下医学生に理性が効かないほど夢中です。(旧題:桜吹雪が舞う夜に)



理性の綱を握り続けていた指が、力尽きてほどけていく。
胸の奥に潜んでいた渇望があふれ出し、もう止められない。

「……桜」

低く名前を呼ぶと同時に、唇を深く塞いだ。舌をねじ込むように貪り、逃げ場を奪う。
呼吸を奪われながらも、彼女は必死に応えようと口を開き、震える声を洩らす。

手は勝手に動き、服を強引に脱がせる。
柔らかな肌が露わになると同時に、理性を欠いた指先が貪欲に這い回った。
乳房を揉みしだき、先端を強く弾くと、彼女の身体が大きく跳ねて甘い声をあげる。

「……っあ、ひ、な……!」

その声がたまらなくて、さらに荒々しく腰を抱き寄せた。
自分の硬くなった熱を彼女の下腹部に押し付けると、布越しでもお互いの昂ぶりが伝わってきて、頭が真っ白になる。

「もう……待てない」

耳元に吐息を落とし、彼女の足を無理やり開かせる。
濡れそぼった場所を指でなぞると、怯えと恥じらいが混じった声が喉から洩れた。

「……っ……恥ずかしい……私、もう、こんなっ……」

「大丈夫。……正常な反応だよ。何もおかしいことなんてない」

宥めるように頭を撫でると、彼女は少し安心したように息を吐いた。

「……十分濡れてる。でもやっぱり、ローションも使おうか。……必要ない痛みは与えたくない」

そう言って、ベッド脇に用意していたボトルを手に取る。
透明な液体がとろりと垂れ、静かに彼女の入口を濡らす。
冷たさに、桜の身体がびくりと震えた。

「大丈夫。……ゆっくり馴染ませるから」

指先で撫で広げるように、丁寧にローションを馴染ませていく。

「指、少し中入れるよ。……息吐いて」

びくり、と桜が肩を振るわせるのが分かった。
指一本すら受け入れるのを拒むように狭く、絡みつくようなその感覚に、背筋が震える。
……本当に、初めてなんだ。今更ながら、そんなことを思った。
なのにこんな貪るように、いいのか?
一瞬だけ、僅かに残る理性が警告してくる。
それでも。

「……もういい。今すぐ、欲しい」

抑え込む余裕など残っていなかった。



側に置いてあったコンドームを箱から乱暴に取り出し、封を引き裂いた。
ビリ、と小さな音がしただけなのに、妙に生々しく響く。
息で軽く膨らませて穴がないか確認する仕草に、桜が驚いたように目を瞬いた。

「……そんなことまで、するんですね」

物珍しそうな声。

「当たり前だろ。君を守るためのものなんだから」

苦笑しながら、慣れた手つきで片手で装着し、少しでも彼女の苦痛を和らげられるよう、ローションを塗り広げる。

「入れるよ。……どうしても痛かったら、ちゃんと言うんだぞ。叩いたって構わない。無理だけは、するな」

最後の理性を振り絞るように告げた。
返事を待つ間、心臓の鼓動が耳をつんざくほど響いている。
小さく、けれど確かに頷く彼女を見た瞬間――

彼女の小さな身体をベッドに押し付け、自分の昂ぶりを導くように腰を押し当てた。

「……っ、あ……っ」

ゆっくりと押し入れた瞬間、狭い入口が熱く絡みつき、彼女の表情が歪んだ。
腰を深く押し込み、痙攣する奥を無理やりこじ開けていく。

「……力を抜いて。大丈夫。急がない。ゆっくり、進めてくから……」

そう言い聞かせながら、自分にも言い聞かせるように深呼吸する。
桜の喉から悲鳴と甘い声の区別がつかない声が洩れる。

「ひっ……ん、あ……!」

その音に、脳が焼き切れるみたいに痺れていった。


やがて、抵抗を切り裂くようにして、ようやく一番奥の障壁を越える感覚。

同時に、シーツに赤が滲んだ。

鮮やかな色が、胸をえぐる。

「……全部、入ったよ」
襲ってくる快感に脳が支配されそうになりながらも、努めて優しい声で耳元で囁いた。
「……ようやく、一つに……なれたな」
息を詰めながら、優しく彼女の髪を撫でる。
「俺……すごく嬉しいよ……。桜、よく頑張ってくれた。本当にありがとう」
指先で頬をなぞる。
彼女は目を閉じてただ痛みに耐えているようだったが、俺の呼びかけに安心したように、少しずつ強張りを解いていってくれているのが分かった。

「もう少しだけ……感じさせて」
囁きながら、ゆっくりと慎重に動かし始めると、彼女の狭い奥が合わせて締め付けてくる。
ひりつく快感に脳が焼き切れそうになりながらも、彼女の悲鳴にも似た痛みを訴える声に理性がすぐ呼び戻された。

すぐに動きを止め、じっと彼女の涙が滲む瞳を覗き込む。

「痛いよな……ごめんな……」
額を合わせて、汗に濡れた髪を撫でる。
……本来なら、もうここで止めるべきだと分かっていた。これ以上続けたって彼女にとってはただ苦しいだけの行為になる。
それでも、次から次へ襲ってくる快感と、男としての本能が満たされる幸福にどうしたって抗うことができなかった。
「あと少し……好きに動くよ、いいか……?」
縋るように必死な声で同意を求め、彼女が震えながらも頷くのを見届けると、再びゆっくりと奥へ沈んでいく。

乱暴になっている。
わかっている。
それでも、止められない。
今まで必死に抑え込んできた欲望が、彼女の中で溶け、暴れ狂っている。

「……あ、あぁ……っ」

悲鳴に似た声が自分のものなのか、彼女のものなのか。もうお互いの境界が溶け合って分からなくなる。

汗が額を伝い、視界が滲む。
桜の爪が俺の背に食い込み、熱い痛みと快感が混ざって痕を残していく。
何度も突き上げるたびに、狭い奥で擦れる感触に、頭の奥が真っ白になる。

「っ、気持ち……良すぎて……もう……」

低く唸りながら、ただ無我夢中で腰を打ちつける。
身体の芯から絞り取られるような快感に、完全に溺れていった。

「……桜……もう、駄目だ……」

荒く吐き出す声とともに、何度も深く突き上げる。
彼女の指先が必死に背を掴み、快感と痛みの狭間で震える姿に、支配欲と愛情がないまぜになる。
やがて、限界は一気に訪れた。
腰を深く押し込んだまま、堰を切ったように果てる。
熱が一気に流れ込む感覚と同時に、頭の中が真っ白になった。

「……桜……」

縋りつくように名を呼び、乱れた呼吸を重ねながら、彼女の小さな身体を抱きしめ続けた。
理性はどこにもなく、ただ本能と欲望の中で、彼女に支配されるように溺れていた。




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