社長、社内恋愛は禁止のはずですが
鏡の前でそっとネックレスを外し、指輪を外した。

ドレスのファスナーを下ろすと、するりと床に落ちる。

残った下着も指先で外し、裸の自分が映し出された。

――今から、この身体をあの人に見られる。触れられる。

そう思うと、熱と恥ずかしさで頬が火照っていく。

シャワーをひねると、柔らかなお湯が全身を包んだ。

ソープを泡立て、腕から首筋、胸、脚へと丁寧に洗っていく。

一つ一つ、直哉さんに触れられることを想像しながら。

彼はどんなふうに女を抱くのだろう。

強引に奪うのか、それとも――耳元で甘く囁きながら溺愛するのか。

胸の奥で期待と不安が入り混じり、呼吸が浅くなる。

やがて泡を流し終えた私は、濡れた髪を払い、そっと目を閉じた。

もう、逃げられない。

私の心も体も、すべて彼に委ねるしかないのだ。
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