社長、社内恋愛は禁止のはずですが
次の瞬間、彼は迷いなくバスルームへと入っていった。

ドアが閉まる音が響き、残された私はベッドの端に腰を下ろす。

部屋の静けさと、遠くに聞こえるシャワーの音。

その全てが、これから訪れる夜を予感させていた。

――私はもう、逃げない。

彼が戻ってくるその瞬間を、ただ待ち望んでいる。

カチャッ――バスルームのドアが開く音がした。

顔を上げた瞬間、思わず息を呑む。

そこに立っていたのは、バスタオルを腰に巻いただけの高峰社長。

濡れた髪から滴る雫が、細く引き締まった胸板を滑り落ちていく。

無駄な脂肪など一切なく、しなやかで強い筋肉が浮き彫りになっていた。

ワックスの落ちた髪はさらさらと揺れ、前髪が少し額にかかるだけで色気が滲み出る。

――私、こんな完璧な人に抱かれるの?
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