社長、社内恋愛は禁止のはずですが
夕方になり、私は近所のスーパーへ足を運んだ。

「今日はお肉が安い日か……」

毎日のように通っているから、特売品の曜日まで自然と覚えてしまった自分に苦笑する。

「じゃあ、今日はステーキにしようかな。」

精肉コーナーで選んだのは、1枚1,000円の和牛ステーキ。

普段なら手を伸ばさない値段だけれど、直哉さんと食べるなら特別もいい。

袋を提げ、軽い足取りで帰り道を歩く。

献立を思い浮かべながら、「サラダも添えて、スープも作ろうかな」と心が弾む。

そんな時だった。

背後から低く響くエンジン音が近づき、一台の黒い車が私の横にすっと停まった。

ハッと振り返ると、運転席の窓がゆっくりと下がっていく。

胸がドキンと鳴った。
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