社長、社内恋愛は禁止のはずですが
周りの客が驚いて視線を向けるけれど、もうどうでもよかった。

だって、今ここで私は彼の「恋人」から「婚約者」へと変わったのだから。

「遥香、愛してる。」
「私も……直哉さんを愛しています。」

ふたりの声が重なった時、夜景の光がさらに鮮やかに瞬いたように見えた。

そしてこの瞬間から、私達の未来は新しいステージへと進んでいくのだ。

指輪を嵌めたまま席に戻ると、タイミングよく次の料理が運ばれてきた。

白い皿に彩られた前菜がまるで宝石のように輝いている。

「せっかくだから、婚約者として最初の食事を楽しもう。」

直哉さんがワインを注いでくれる。その仕草に、胸がどきんと高鳴る。

「こんな素敵な場所で……夢みたいです。」

私が小声で呟くと、直哉さんは満足げに笑った。
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