社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「社長、奥さんを泣かせないでくださいね!」

南條が茶化すように言えば、直哉さんはふっと笑った。

「泣かせるわけないだろう。俺の一生の宝物だから。」

その場が温かい笑いと拍手に包まれる。

篠宮部長は真剣な顔で、けれど少し照れ隠しのように言った。

「直哉、遥香さん。これからは二人で支え合いなさい。社長業は孤独だと思っていたけれど……あなたを理解して寄り添ってくれる人が現れて、本当によかった。」

涙ぐむその姿に、私も胸が熱くなる。

弥生は泣きながら「本当に幸せになってね」と言ってくれた。

ずっと隣で私を支えてくれた同期。

私の幸せを、誰よりも喜んでくれているのが伝わって、心からありがたかった。

ケーキ入刀では、二人でナイフを握る。
< 271 / 273 >

この作品をシェア

pagetop