社長、社内恋愛は禁止のはずですが
真剣な眼差しに射抜かれ、思わず呼吸が乱れる。

どうしよう。心臓が痛いほどドキドキする。

“特別じゃない”と思い込もうとしていたのに――やっぱり違う。

この人に認められている。その事実が、胸いっぱいに広がっていった。

「だけど困ったな。今持っている案件を手放せないとなると……」

社長が腕を組んだまま考え込む。その横顔を見つめながら、私の頭に一つの案が浮かんだ。

――他の人に任せつつ、自分が責任を持つ方法。

それは、たった一つしかない。

「……高峰社長。私を課長にしてください。」

「……え?」

自分でも無謀だと思う。けれど口に出してしまった。

課長であれば、私が最終責任を背負える。

誰かに任せても、全体を見て導くことができる。

だからこそ――この提案しかなかった。
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