社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「君は今、平社員だ。主任ですらない君を、一気に課長にするなんて……」

社長の声は低く、現実を突きつける。

それでも私は必死に訴えた。

「お願いです。今持っている案件を他の人に任せて、その責任を私が取る方法は、これしかないんです。」

真っ直ぐに見上げると、社長の瞳がわずかに揺れた。

――これは、無謀なのか。それとも挑戦を受け止めてくれるのか。

息を呑み、彼の返事を待った。

「……分かった。どうせこのプロジェクトが成功したら、昇進させようと思っていたところだ。」

「高峰社長!」

思わず声が上ずる。よかった――これで一気に道が開ける。

けれど直哉はすぐに視線を伏せ、現実を突きつけてきた。

「でも、そうなると編成が必要だな。」
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