社長、社内恋愛は禁止のはずですが
心臓の鼓動はまだ速いままなのに、安心感に包まれて、まるで夢の続きを見ているようだった。

社長案件の新規プロジェクトは、いよいよ本格化していた。

私は社長とミーティングルームにこもり、何時間も議論を重ねる。

――社長の想いを、すべて企画に落とし込みたい。

その一心で、私は必死だった。

ようやく戻ってきたフロアで、加藤さんが駆け寄ってきた。

「大変でしたね。」

「ふふ、すごいよね。社長の情熱。」

言葉を返すと、彼女は瞳を輝かせて身を乗り出す。

「私、お手伝いさせてもらえませんか?」

「えっ……」

「社長案件、私も携わってみたいです!」

熱のこもった声に、周囲の視線が集まった。

思わず笑みがこぼれる。

「その前に、私が預けた案件。どうなった?」
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