社長、社内恋愛は禁止のはずですが
「……君は俺とパーティーに行きたくないのか。」

まさか、そんな返しが来るなんて。

「いえ、でも――」

慌てて否定しようとした瞬間、社長の声が一段低くなる。

「どっちなんだ!」

真剣な眼差しで迫られ、胸がドキリと跳ねた。

「……俺を好きだと言ったのは、嘘だったのか。」

まるで子供のように拗ねた表情。

普段の完璧な御曹司の姿からは想像できない。

そんな社長が、可愛くて仕方なかった。

「嘘じゃありません。」

真っ直ぐにそう答えると、社長の目がぱっと和らぐ。

「じゃあ、決定な。」

満足げに頷くと、当たり前のように話を締める直哉。

――ああ、この人は週末も、私と一緒にいたいんだ。

胸がじんわりと熱くなり、もうパーティーへの不安よりも、その言葉が嬉しくて仕方なかった。
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