社長、社内恋愛は禁止のはずですが
その日の仕事帰り、私はお気に入りの洋服屋に立ち寄った。

週末のパーティーに何を着ていけばいいのか――そればかり考えていたからだ。

煌びやかなドレスが並ぶ店内。

私は場違いではないかと不安になりながらも、鏡の前で何着かを手に取った。

すると、店員さんが微笑みながら近づいてきた。

「お客様でしたら、この赤いドレスがお似合いですよ。」

差し出されたのは、タイトなワンピース風の赤いドレス。

華やかすぎず、それでいて女性らしさを際立たせる一着だった。

「……赤、ですか。」

普段の私は、落ち着いた色合いばかりを選んでいた。

けれど今は違う。あの人の隣に並ぶのだから。

試着室で袖を通し、鏡に映る自分を見た瞬間、胸が高鳴った。

――こんな私を見て、高峰社長はどう思うだろう。気に入ってくれるだろうか。

ドキドキを抑えられないまま、私はその赤いドレスを購入した。
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