本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 思わず口にした言葉は、自分でも驚くほど小さな声だった。
 たしかに望は懐いてくれている。でも〝好きなもの〟として描いたとは。何気なく描かれた線が、不思議なくらいに優しく見えた。

 (嬉しい。嬉しいけど、なんだかくすぐったい)

 莉乃が黙ったまま絵を見つめていると、青葉はクスッと笑った。


 「嬉しい?」


 その問いにうまく答えられず、莉乃はただ頷くしかない。


 「莉乃、俺と結婚してくれてありがとう」
 「やだ、唐突になに?」
 「望もこうして懐いてるし」
 「それは望くんが素直ないい子だから。母親としては、まだまだ不十分だし」


 青葉が思い描いていた母親像には程遠いだろう。もっと包容力があって、もっと穏やかで、もっと完璧な……。
 少なくともその領域には辿り着いていない。焦りも迷いもあるし、言動の一つひとつが正しいのかどうか、いまだに確信は持てない。


 「いや、十分過ぎるくらいやってくれてるよ、莉乃は」
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