本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 由佳は後部シートで少し身を乗り出した。
 彼女の報告のおかげで莉乃の心は一気に軽くなる。疑っていた自分がちょっと情けなくて、しかしそれ以上に由佳の幸せそうな声にほっとした。


 自宅マンションで由佳と別れ、夕食やお風呂を済ませた莉乃と青葉は、リビングでコーヒーを飲んでいた。
 望はよほど疲れたらしく、いつもよりだいぶ早く夢の中である。


 「望くんがいなくなったって聞いたときは寿命が縮まる思いがしたわよね」
 「ほんとだな。あの瞬間、頭が真っ白になったよ」


 青葉はコーヒーカップを手にソファにもたれながら、ため息を零して続ける。


 「仁志さんたちもわかってくれて、心底ほっとした」
 「私も今回のことで、望くんがいない生活は考えられないって心から思ったわ」


 自分で考えている以上に、莉乃にとって望は大切な存在なのだと痛感させられた。
 初めて会ったときには戸惑いと不安ばかり。本当の母親ではないという葛藤を抱くこともたくさんあった。突然現れた由佳に嫉妬したのもそう。

 望の幸せを心から願うようになったのはいつからだろう。
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