本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 「なんかあんまりいい返事じゃないな」
 「そんなことない」


 不満そうな目は、それでもどこかジョーク交じりだ。心の中では莉乃も同じ気持ちだと察しているのだろう。


 「じゃあ、莉乃も〝したい〟ってことだな」
 「あからさまに言わないで」
 「いやいや、あからさまっていうのはセッ――」


 まさに直接的な言葉を言いかけた青葉の唇に、慌てて自分のそれを重ねる。
 青葉は一瞬見開いた目を細めた。


 「キスの捺印ってわけか。つまり合意」
 「もうそんなのいいから」
 「早く俺に抱かれたいって?」


 いつまでも冗談めかす彼を莉乃が軽く睨んだ直後、青葉は突然その表情をがらりと変えた。
 熱を帯びた視線が、無言のまま心を射貫いてくる。まるで静かな炎のように、目だけで語りかける誘惑。パレットの色が一気に塗り替えられたような切り替えの早さに、莉乃は思わず息を飲んだ。心臓がドクドクと高鳴るのが自分でもわかる。

 青葉は莉乃を抱き上げたまま、軽やかな足取りでリビングをあとにした。
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