本日、仕事のために愛されママになります～敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない～【愛され最強ヒロインシリーズ】

　「お待たせしました」


　彼の向かいの椅子に腰を下ろし、バッグからノートパソコンを出してテーブルで立ち上げた。


　「なに飲む？」
　「あ、では夏目さんと同じものを」


　青葉は頷いてから先ほど同様に軽く手を上げ、キールロワイヤルを注文。「早速だけど」と切りだした。


　「昨夜の件、いくつか再考案を作ってきた」


　青葉は隣の席に移動し、ノートパソコンの画面を莉乃に見せた。そこには地図が表示されている。


　「Miyabiの出店はこのエリア」


　青葉が指し示した部分は赤い丸で囲われている。


　「うちが考えているエリアと被るわね」
　「ああ。思いきってべつのエリアに変更するか、もしくは出店スケジュールを前倒しにするか」

　青葉がエクセルを開く。そこには当初考えているスケジュールがガントチャート――タスクの進行状況を視覚的に管理し、計画を段階的に確認できるフォーマット――が表示されていた。