本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 青葉は沈黙した。
 いきなり会社のために結婚してほしいと言われれば、当然の反応だ。

 彼の指がグラスから離れ、テーブルへと落ちる。ふと、莉乃の言葉を反芻するように目を閉じ、小さく何度か頷いてから目を開けた。


 「いいだろう。そうしよう」
 「えっ?」
 「結婚しよう」
 「本気?」


 今この場ですんなり了承してもらえるとは思いもせず、つい聞き返す。


 「提案したのはキミじゃなかったか?」


 青葉はクスッと笑った。


 「それはそうなんだけど、あっさりオッケーをもらえたから驚いて」
 「驚いてるのは俺のほう。まさかキミからプロポーズされるとは想像もしていなかった。まぁ仕事の延長的な感じではあるけど」


 青葉は静かに微笑みながらグラスを持ちなおし、ひと口飲んだ。
 彼の目をじっと見つめる。論理的で冷静な彼が、こうもあっさりと決断するとは――。
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