本日、仕事のために愛されママになります~敏腕社長は契約妻への独占愛を手加減しない~【愛され最強ヒロインシリーズ】
 莉乃が手を合わせると、望も「いたまー」とスプーンを持ち、早速パエリアをすくって口に運んだ。


 「どうだ、望、おいしいか?」
 「うん、おいちい」


 莉乃も望に続き、パエリアを口に運ぶ。サフランのほのかな香りが鼻をくすぐり、口の中には絶妙な塩気と海の幸の旨みが広がっていく。


 「青葉さん、料理上手なのね。本当においしい」
 「それはよかった」


 彼が満足そうに笑う。

 (今、私もさらっと下の名前で呼んでみたけど不自然じゃなかったかな。なんか妙に恥ずかしい)

 意図せず頬が熱くなり、パタパタと手で仰ぐ。


 「エアコンの効き、悪いか? 温度下げようか?」
 「ああ、違うの。パエリアが熱かっただけだから」


 誤魔化して、クリームチーズとサーモンがのったブルスケッタを指先で摘まむ。カリッと音を立ててひと口かじれば、オリーブオイルの芳醇な香りが鼻から抜けていく。クリームチーズのまろやかなコクとサーモンの塩気がいい塩梅だ。
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