凪がくれた勇気
歩侑(ふう)
「本棚、少し上の段…ギリギリ届くかな…?」

私は目的の本を取ろうとして
本棚に向かって背伸びした。

歩侑(ふう)
「んん…!もう少し…!」

グラッ

ドサドサドサ!

歩侑(ふう)
「!!!?」

私が伸ばした手がどこかに引っかかり、
本棚から何冊かの本を落としてしまった。

歩侑(ふう)
(またやっちゃった…!早く片付け…。)

私は床に落ちた本を拾おうとして
しゃがみ込むと、

スッ

歩侑(ふう)
「…?」

誰かの手が
私より先に床の本を拾い上げた瞬間、
私の頭に清凪(せな)くんの手がちらついた。

あどけない顔とのギャップが尊い、
ゴツゴツしていてマメだらけの手が。
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