凪がくれた勇気
<放課後、学校の図書館>

歩侑(ふう)
「え、と…昨日まで読んでた本は…。」

私は相変わらず、
放課後は学校の図書館に入り浸っていた。

ただ、目的は今までのような現実逃避じゃない。

歩侑(ふう)
「これ!コミュニケーションの入門書!」

話し方、聴き方、目線、心構え。

本好きな私が
唯一避けてきたジャンルを1から勉強するため。

いつ清凪(せな)くんと再会してもいいように、
私の口で私の気持ちを伝えられるようになるんだ。

たとえ、彼には聞こえなくても。

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