凪がくれた勇気
<翌日、市立図書館>

歩侑(ふう)
「え、と…この本の返却先は…。」

私は読み終えた本を戻そうと、
本棚に向かって背伸びした。

歩侑(ふう)
「んん…!もう少し…!」

私の身長より少し上の段、ギリギリ届くかな…?

グラッ

ドサドサドサ!

歩侑(ふう)
「!!!?」

私が伸ばした手がどこかに引っかかり、
本棚から何冊かの本を落としてしまった。

歩侑(ふう)
(やっちゃった…!早く片付けないと…。)

私は床に落ちた本を拾おうとして
しゃがみ込むと、



スッ

歩侑(ふう)
「…?」



誰かの手が、私より先に床の本を拾い上げた。
私がその手の先に目を移すと、ジャージ姿の少年。

スポーツに疎い私には何の競技かわからなかったが、
ジャージの胸に「Japan」の文字が入っていた。
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