凪がくれた勇気
清凪(せな)
(デフリンピックは”聴こえない人”の大会だよ。)
(そういう人たちのバスケを”デフバスケ”っていうんだ。)

歩侑(ふう)
(バスケットってすごく激しいスポーツだよね…?)
(聴こえなくても大丈夫なの…?)

清凪(せな)
(ぜんぜん大丈夫。ルールも基本的に同じ。)

歩侑(ふう)
(味方とのコミュニケーションはどうするの?)

清凪(せな)
(サインとか、一瞬のアイコンタクトとか。)
(聴こえないからこそのコミュニケーション。)
(これがデフバスケのおもしろさの1つだよ。)

歩侑(ふう)
(すごいね…あんなに速く動きながら…。)
(じゃあ試合の相手もデフバスケのチーム?)

清凪(せな)
(聴こえる人たちのチームとも対戦するよ。)
(今は夏季合宿でこの街に来てる。)
(今度、大学生の強豪チームと試合するんだ。)

歩侑(ふう)
(そっか…合宿で来て…あれ?)
(じゃあ清凪(せな)くんは練習の合間に図書館に来てるの?)

清凪(せな)
(うん、もっとバスケを勉強したくて。)
(練習のスキマ時間に来てるんだ。)
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