イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?

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本当に来るの…?
私は電話の向こうで、兄の反応を確認しながら不安に思った。
塩対応そのもの。淡々と、無愛想に。
「来いって言ったでしょ」
私は反論したけれど、兄は聞く耳を持たなかった。

「まあ、いいけど。亜佑美にも話しておく」
そういって、電話はぷつりと切れた。
亜佑美――そう、兄の奥さんの名前だ。二人ともやんちゃで、18歳で結婚して、今では高校生の子どもが二人いる。

建設会社を営む兄は、仕事人間で、私の中には「どんな家庭なのだろう…」という緊張が広がる。
…会う気あるのかな?
そんな不安が、胸の奥でじわじわと膨らむ。

私はため息をつきながらも、どうにかしなきゃと気を引き締めた。
蒼と一緒に行くのはいいけれど、この最大最強の兄に私たちを見せるのかと思うと、少し腰が引ける。
でも、逃げるわけにはいかない。

私は亜佑美さんにもメッセージを送った。
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