イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?
約束の日。
私と蒼は、兄の家へ向かっていた。
蒼は少し緊張した顔をしているけれど、握ってくる手はあたたかくて、私の方が安心させられてしまう。
「大丈夫だよ」
横顔を見ながら、私は蒼に呟く。
「お兄さんに会うのは緊張するけど…でも、真緒のお兄さんだし。俺、ちゃんと挨拶する」
その真っ直ぐな言葉に、胸の奥がじんとした。
玄関の前に立つと、もう心臓が跳ねそうだった。
ピンポーン、と鳴らすと、中から足音がして、ドアが開いた。
「おう、来たか」
無愛想な声。そこにはラフなジャージ姿の兄が立っていた。
「お、お邪魔します…」
蒼は深く頭を下げた。
私も後ろから会釈しながら、ドキドキしっぱなし。
「はいはい、上がって」
そう言ったのは義姉の亜佑美だった。昔と変わらない、美人で、快活な笑顔で迎えてくれた。
居間に通されると、高校生の甥っ子と姪っ子もいて、じろじろと蒼を見つめていた。
「ねえ、この人が真緒ちゃんの彼氏?」
「へえー、若い!」
無邪気に言われて、私は耳まで真っ赤になる。
蒼はと言えば、顔を赤くしながらも「は、初めまして」ときちんと挨拶をしていた。
そんな様子を、兄は黙って腕を組んで見ている。
その視線が、やっぱり怖い。
「……で、どんなやつなんだ、お前」
低い声で蒼に問いかける兄。
蒼は一瞬固まったけれど、すぐに真剣な眼差しで答えた。
「俺は、鳴海蒼といいます。真緒さんと同じ会社で働いてます。……まだ未熟ですけど、真緒さんを大切にしたいと思ってます」
居間に静寂が落ちる。
兄の目がさらに鋭くなる。
私は思わず、ぎゅっと蒼の手を握った。
……その瞬間。
義姉の亜佑美が、豪快に笑った。
「なにそれ、めっちゃ真面目じゃん!いいじゃん、若いのにしっかりしてて!」
子どもたちも「かっこいいー!」と囃し立てる。
兄はふうっとため息をついて、ようやく視線を外した。
「……まあ、今日は飯でも食ってけ」
それが兄なりの合格点だと分かって、私は心から安堵した。
その隣で、蒼が小さく私の耳元で囁いた。
「……よかった」
私と蒼は、兄の家へ向かっていた。
蒼は少し緊張した顔をしているけれど、握ってくる手はあたたかくて、私の方が安心させられてしまう。
「大丈夫だよ」
横顔を見ながら、私は蒼に呟く。
「お兄さんに会うのは緊張するけど…でも、真緒のお兄さんだし。俺、ちゃんと挨拶する」
その真っ直ぐな言葉に、胸の奥がじんとした。
玄関の前に立つと、もう心臓が跳ねそうだった。
ピンポーン、と鳴らすと、中から足音がして、ドアが開いた。
「おう、来たか」
無愛想な声。そこにはラフなジャージ姿の兄が立っていた。
「お、お邪魔します…」
蒼は深く頭を下げた。
私も後ろから会釈しながら、ドキドキしっぱなし。
「はいはい、上がって」
そう言ったのは義姉の亜佑美だった。昔と変わらない、美人で、快活な笑顔で迎えてくれた。
居間に通されると、高校生の甥っ子と姪っ子もいて、じろじろと蒼を見つめていた。
「ねえ、この人が真緒ちゃんの彼氏?」
「へえー、若い!」
無邪気に言われて、私は耳まで真っ赤になる。
蒼はと言えば、顔を赤くしながらも「は、初めまして」ときちんと挨拶をしていた。
そんな様子を、兄は黙って腕を組んで見ている。
その視線が、やっぱり怖い。
「……で、どんなやつなんだ、お前」
低い声で蒼に問いかける兄。
蒼は一瞬固まったけれど、すぐに真剣な眼差しで答えた。
「俺は、鳴海蒼といいます。真緒さんと同じ会社で働いてます。……まだ未熟ですけど、真緒さんを大切にしたいと思ってます」
居間に静寂が落ちる。
兄の目がさらに鋭くなる。
私は思わず、ぎゅっと蒼の手を握った。
……その瞬間。
義姉の亜佑美が、豪快に笑った。
「なにそれ、めっちゃ真面目じゃん!いいじゃん、若いのにしっかりしてて!」
子どもたちも「かっこいいー!」と囃し立てる。
兄はふうっとため息をついて、ようやく視線を外した。
「……まあ、今日は飯でも食ってけ」
それが兄なりの合格点だと分かって、私は心から安堵した。
その隣で、蒼が小さく私の耳元で囁いた。
「……よかった」