イケメン年下君がメロメロなのは、私って本当ですか?

エピローグ

白いチャペルの扉がゆっくりと開いた瞬間、祝福の光が差し込むように感じた。
私は純白のドレスに包まれ、隣にはタキシード姿の蒼。
普段は見慣れているはずの彼が、今日は誰よりも眩しく見えた。

参列してくれたのは、家族や親しい友人、そしてお世話になった会社の人たち。
兄は終始、照れ隠しのように腕を組んでいたけれど、目の端には光るものが見えた。
義姉や甥っ子たちは「真緒ちゃん、きれい!」と大声で叫んで、場を和ませてくれた。

係長は、いつもの冗談交じりではなく、心からの祝福にあふれていて、胸が熱くなった。

そしてーー
「真緒」
隣から、蒼の小さな声。
視線を向けると、彼は人前だというのに、こいぬのようにとろけた笑顔を浮かべていた。

「俺、本当に幸せだよ。これからずっと、真緒と生きていけるんだなって思うと」

「……私もだよ、蒼」
小さく答えながら、涙が溢れそうになる。

神父の声に導かれながら、私たちは互いに誓いの言葉を交わし、キスをした。

その瞬間、会場中から温かい拍手が沸き起こり、私は世界中から祝福されているような気持ちになった。

指輪をはめあい、蒼が私の手を強く握る。
そのぬくもりは、この半年で何度も確かめてきたけれど、今日ほど心強く感じたことはなかった。

「……これからも、ずっと大好きだよ」
参列者に見送られながら、蒼が小声で囁いた。

「私も。大好き」
私は笑って、彼の腕に寄り添った。

――こうして、私たちは新しい未来を歩み始めた。
甘く、愛しく、そして確かな幸せを胸に抱いて。



Fin
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