あこがれドレス ~地味子な私がプリンセス♪
第一章 地味子な私と、文化祭のドレス
放課後の教室に、私の居場所はなかった。
賑やかな声が遠く聞こえる中、私はいつも通り、お家へ帰る。
私の部屋の机の端には、小さなティーカップがひとつ置いてある。
百均で買った薄ピンク色のティーカップ。
安物だけど、お気に入りの相棒だ。
熱いお湯を注ぎ、ティーバッグを揺らす。
ふわっと広がる紅茶の香りに包まれると、ほんのひととき、
物語のお姫様になった気分に浸れるのだ。
現実には、私はごく普通の女子高生だ。
普通どころか地味な女子高生だ。クラスでは発言も少ないし、成績も中の下。
クラスではいつも影をひそめ、人知れず一日が終わっていく。
でも、紅茶を飲むこの時間だけは、物語の登場人物になったみたいで、とても好き。
机のそばには、小学校のときからずっと持っている白いネコのぬいぐるみが座っている。
毛並みはすっかりくたびれているけれど、私にとっては一番の話し相手だ。
「ねえ、今日はちょっと、いいことあったんだよ」
ぬいぐるみに小声でつぶやく。
私はカバンから一冊の本を取り出した。
図書室で借りてきた、少し変わったお姫様の話。
王子様に救われるのではなく、自分で剣をとって国を守る、勇敢な姫の物語だ。
そんな本を読んでいると、自分もほんの少しだけ強くなれる気がした。
賑やかな声が遠く聞こえる中、私はいつも通り、お家へ帰る。
私の部屋の机の端には、小さなティーカップがひとつ置いてある。
百均で買った薄ピンク色のティーカップ。
安物だけど、お気に入りの相棒だ。
熱いお湯を注ぎ、ティーバッグを揺らす。
ふわっと広がる紅茶の香りに包まれると、ほんのひととき、
物語のお姫様になった気分に浸れるのだ。
現実には、私はごく普通の女子高生だ。
普通どころか地味な女子高生だ。クラスでは発言も少ないし、成績も中の下。
クラスではいつも影をひそめ、人知れず一日が終わっていく。
でも、紅茶を飲むこの時間だけは、物語の登場人物になったみたいで、とても好き。
机のそばには、小学校のときからずっと持っている白いネコのぬいぐるみが座っている。
毛並みはすっかりくたびれているけれど、私にとっては一番の話し相手だ。
「ねえ、今日はちょっと、いいことあったんだよ」
ぬいぐるみに小声でつぶやく。
私はカバンから一冊の本を取り出した。
図書室で借りてきた、少し変わったお姫様の話。
王子様に救われるのではなく、自分で剣をとって国を守る、勇敢な姫の物語だ。
そんな本を読んでいると、自分もほんの少しだけ強くなれる気がした。