偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました
「え、えっと……裕哉さん。ここは……レストラン、ですし……」

視線を泳がせながら、なんとか口を開いた。

人前でキスなんて、そんなの無理。心臓が壊れそう。

すると、霧島社長が身を乗り出し、私の耳元にそっと囁いた。

「……目、閉じて。」

その声は、低くて、甘くて――そして、ひどく真剣だった。

私はごくんと喉を鳴らし、意を決して瞳を閉じる。

その瞬間、温かく柔らかい感触が唇に触れた。

一瞬のことだったけど、世界が止まったように感じた。

「……これでいい?」

静かに言われて目を開けると、高志さんは口元を綻ばせていた。

「まさかね。裕哉が人前でキスするとは。びっくりしたよ」

私は恥ずかしさのあまり、俯いてしまう。

(私の顔、絶対真っ赤……)

「ん? 美緒さんは、裕哉とのキス、まだ慣れてないの?」
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