偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました
「やっぱり、初めてのキスかな。」

霧島社長がごく自然にそう返す。

その横顔は演技とは思えないほど落ち着いていて――。

私も、合わせなきゃ……!

そう思った私は、つい口を滑らせた。

「社長室でしたのよね。」

「社長室?」

高志さんの目が一気に輝いた。

――しまった、地雷だった!?

「え、待って。同じ会社? え、マジ?」

「うん、俺の秘書。」

「やばっ、社長室でキスし放題じゃん!」

高志さんはすっかり盛り上がってしまっている。

私は顔が熱くなって、膝の上で手をギュッと握った。

すると――

「じゃあさ、今ここでもキスできる?」

不意打ちの言葉に、私は息を飲んだ。

え……ここで……⁉

今、このレストランで……!?

視線の先で、霧島社長がゆっくりとこちらを振り返る。

その瞳は、冗談じゃなく“本気”の色を帯びていて――
< 13 / 34 >

この作品をシェア

pagetop