偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました
「仕事も真面目だし、何より――俺の秘書だから。俺のことをよく分かってくれてる。」

不意にそう言われて、心臓が跳ねた。

ドキッとする。胸の奥が、じんと熱くなる。

――違うんです。

私があなたのことを分かっているのは、ただ秘書だからじゃない。

ずっとそばで見てきたから。あなたを想ってきたから。

そう言いたかった。けれど、口には出せなかった。

今言ってしまったら、何かが壊れてしまいそうで――。

「お願いだ。信頼できる人にしか頼めないんだよ」

霧島社長が珍しく困ったような顔をした。

いつもは冷静沈着で、どんな状況でも表情を崩さない人なのに。

そんな彼が、私を見つめている。

その視線に、胸の奥がじんと熱くなる。

戸惑いや不安がなかったわけじゃない。けれど、それ以上に――
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