偽りの恋人契約でしたが、御曹司社長に抱き潰されました
これ以上、霧島社長を困らせたくなかった。

そして何より――彼の力になれることが、嬉しかった。

ただの秘書ではない何かとして、彼に必要とされている。

それだけで、胸が満たされる気がした。

「……具体的に、私は何をすればいいのでしょうか。」

そう尋ねると、霧島社長は静かに頷き、一枚の書類を差し出してきた。

「内容だが……まずは、週末の同伴を頼みたい。」

「えっ?」

思わず声が上ずった。

“同伴”って……どういう意味?

「簡単に言うと、デートだよ。」

その言葉に、心臓が跳ねる。

社長の口から“デート”なんて、聞く日が来るとは。

「今週末、学生時代の友人と会う予定がある。その場で、君に“恋人のフリ”をしてもらいたい。」

「……急に、そんな本格的なことを?」
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