本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
帰りは行きよりもはるかに時間が長く感じられた。
途中恐る恐る運転席を見ると、圭人は変わらず険しい顔をしている。茉琴は黙って前を向いていた。

茉琴のマンション近くまで来ると、圭人は車をコインパーキングに駐車させた。
圭人はエンジンを切り、ハンドルに手を置いたままじっと前を見つめている。

茉琴は心もち明るい声で、圭人の表情を伺うように話しかけた。

「こんな休日もいいね。
チャンスは活かせたか微妙だけど、リフレッシュできたよ。
神谷、ありがとう」

ハンドルを握りしめた圭人の拳にギュッと力が入った。
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