本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
大きく息をついたあと茉琴へ向けた彼の顔は、会社で見るいつもの表情だった。
「水野、まだ時間あるか?」

「神谷が日曜空けとけって言ってたから、特に他の用は入れてないよ」
戸惑ったが素直に答える。

「遅くなったが昼食にしよう。
前に家の近所のラーメン屋が美味しいって言ってただろ?」
茉琴の返事も待たずに圭人は車のドアを開けた。


「ねえ、二人でラーメンは初めてじゃない?」

「水野が嫌がるからな。スープが飛ぶから平日はNG!なんだろ?」

「そうそう。服汚しそうなの!
せっかくなら思いっきり啜りたいしね」
神谷とラーメンは似合わない、とは口に出せなかった。
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