本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
「水野。松岡。
お前ら、そうか!
全っ然気づかなかった」
茉琴ははっとした。
自分の手にはジュエリーケース。
向かい合った松岡が、そのケースに手を添えている。
山下の大きな声に、ちらほらと残っていた一課のメンバーまでもがこちらに注目している。
これはまずい。
茉琴がそう思った時には松岡が口を開いていた。
「俺が茉琴ちゃんを口説いてるところ。
いい返事もらえそうなんだから、邪魔するなよ山下」
フロアがざわつく。
「松岡、水野のことよろしく頼む!
水野、今日は帰っていいぞ。
今日中の分、俺がやっとくから、なっ!」
これで借りは返したとばかりにドヤ顔で茉琴を見てニヤりと笑う。
「山下さん、違うんです!」
茉琴の抗議は虚しく周囲の生暖かい目線にかき消される。
ああ、このままじゃ仕事にならないな、と茉琴は嘆息し、仕方なく帰り支度をはじめた。
お前ら、そうか!
全っ然気づかなかった」
茉琴ははっとした。
自分の手にはジュエリーケース。
向かい合った松岡が、そのケースに手を添えている。
山下の大きな声に、ちらほらと残っていた一課のメンバーまでもがこちらに注目している。
これはまずい。
茉琴がそう思った時には松岡が口を開いていた。
「俺が茉琴ちゃんを口説いてるところ。
いい返事もらえそうなんだから、邪魔するなよ山下」
フロアがざわつく。
「松岡、水野のことよろしく頼む!
水野、今日は帰っていいぞ。
今日中の分、俺がやっとくから、なっ!」
これで借りは返したとばかりにドヤ顔で茉琴を見てニヤりと笑う。
「山下さん、違うんです!」
茉琴の抗議は虚しく周囲の生暖かい目線にかき消される。
ああ、このままじゃ仕事にならないな、と茉琴は嘆息し、仕方なく帰り支度をはじめた。