本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
落ち着かない気持ちで過ごしているとほどなく圭人は席に戻ってきた。
入れ違いに茉琴は立ち上がる。
「じゃあ、私帰るね」
「仕事があってきたんじゃないのか?」
圭人は訝しげに茉琴を見る。
茉琴は言うべきか迷ったが、正直に答える。
「神谷が昨日連絡くれたのが気になって。あんな時間に一回きりの連絡とか、今までないじゃん。しかも翌日にまた、とか。
神谷仕事中でしょ?
近くで待ってるからあとで話そう」
引き止められ何も言わずに帰ることもできず、茉琴は思い切って伝えると、
返事も聞かずにフロアを飛び出した。
『十三時には終わる』
エレベーターを降りたときに届いた圭人からのメッセージは通常運転で、用件のみだった。
茉琴がオフィスを飛び出したのは正午前。
隣のコーヒーショップで時間をつぶしていると、一時間もたたないうちに圭人から連絡が入り、会社の地下駐車場で待ち合わせた。