本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
茉琴はこれ以上話すと中田のことを話してしまいそうで、ここでこの話題を終わらせたかった。
頭を下げたまま、できれば心が落ち着くまで圭人の顔を見たくなかった。
しばらく沈黙がつづく。
「水野自身のことだから、無理強いはしないよ。
またいつもの店でゆっくり聞かせてくれよ」
圭人の優しい口調に茉琴が顔を上げると
いつになく優しい笑顔で圭人がこちらを見ていた。
コーヒーも飲み干し、何とか明るく振舞いながら店を後にする。
圭人から自宅まで送るといわれたが、茉琴はなんだかんだと理由をつけてそれを断り
最寄駅から電車で帰ることにした。