本気の恋も三度まで〜恋愛したくなったら同僚がチャンスをくれました
松岡、中田。二度のチャンス。
圭人をがっかりさせたくない。
しかし、茉琴はどう答えるべきか躊躇した。
返事をしない茉琴に、圭人はさらに尋ねる。
「二人で会ったんだろ?」
「いや、中田くんは美咲さんのこと」
言いかけて言葉を飲み込む。
圭人と美咲のことを考えると、これは茉琴が言っていいことではない。
今圭人と美咲の仲がどうなのかは聞くことができないが、
圭人に知られてしまったら、圭人がどんな思いをするのかを考えるのもつらい。
心にざわざわと波立つような苦しさが押し寄せる。
「何でもない。
神谷、私にはやっぱり恋愛はムリみたいだから、三回目は無しで!」
茉琴はおどけたふりをして、目の前で手を合わせ、頭を下げる。
「あれだけ泣きついといて、途中であきらめるのか?」
「ほんとごめん」