温厚専務の秘密 甘く強引な溺愛
「でも、そこがまたいいのよね」
波瑠は微笑みながら、ためらいなく続けた。
「圭吾はいい男だもの」
ストレートな言葉に、圭吾の動きが一瞬止まる。
驚いたように眉を上げ、彼女を見つめる。
「……お前、そういうことを……さらっと言うんだな」
低い声には、普段の余裕とは違う熱がにじんでいた。
「誰にでも言っているわけではないわよ。本心からそう思ったから言っただけ」
波瑠の澄んだ瞳が、まっすぐに圭吾を見つめる。
圭吾は一瞬だけ黙り、低く言葉を落とした。
「……つまり、本心から思っていないことは言えないってわけか」
「そうね。そうだと思うわ。そんなこと、考えたこともなかったけど」
波瑠は少しだけ肩をすくめ、グラスを揺らす。
しかしその声音には、嘘の混じらない透明さがあった。
圭吾はしばし彼女を見つめたまま、胸の奥に熱が広がっていくのを感じる。
この女は、飾らない。
だからこそ、彼女の言葉は鋭く胸を撃ち抜く。
「……波瑠」
名前を呼ぶ声に、普段の余裕はなく、ただ真っ直ぐな想いだけが滲んでいた。
グラスを置いた圭吾が、ふと口元に笑みを浮かべた。
「……そろそろデザートはどうだ?」
その一言に、張り詰めていた空気がふっと和らぐ。
「ええ、いただきたいです」
波瑠が頷くと、テーブルの端に用意されていたプレートを引き寄せた。
圭吾がテーブルの端に置かれていたプレートを引き寄せると、そこには彩り豊かなケーキが整然と並んでいた。
「……え? こんなに?」
思わず身を乗り出した波瑠の目が輝く。
「何が好きかわからなかったからな」
圭吾はこともなげに言い、彼女の前へ皿を滑らせた。
「ありがとう……」
波瑠は嬉しそうに目を細め、ケーキを眺める。
「モンブランと……フルーツタルトと……ショートケーキ。どれにしようかな」
迷う彼女を見つめながら、圭吾は低く、決然と告げた。
「全部食べろ」
「それはちょっと…」
波瑠が驚きと笑いを混じえた声をあげると、圭吾は十二個並んだケーキをゆっくりと指さした。
「これ全部……お前のものだ」
「圭吾は食べないの?」
フォークを手にしたまま、波瑠が小首を傾げる。
「俺は……このチョコレートケーキだ」
圭吾は迷いなくひとつを選び、フォークを手にした。
「チョコレートが好きなの?」
問いかける波瑠に、彼は口元をわずかにほころばせる。
「ああ。ウィーンに行ってから、はまったんだ」
「そうなんだ……」
楽しげに笑うと、波瑠の胸の奥がじんわりと温かく満ちていく。
こうして隣で一緒にケーキを食べてくれることで、自分の誕生日がさらに豊かになった気がする。
胸いっぱいの幸福感に包まれながら、彼女は小さなフォークをまたケーキへと伸ばした。
波瑠は微笑みながら、ためらいなく続けた。
「圭吾はいい男だもの」
ストレートな言葉に、圭吾の動きが一瞬止まる。
驚いたように眉を上げ、彼女を見つめる。
「……お前、そういうことを……さらっと言うんだな」
低い声には、普段の余裕とは違う熱がにじんでいた。
「誰にでも言っているわけではないわよ。本心からそう思ったから言っただけ」
波瑠の澄んだ瞳が、まっすぐに圭吾を見つめる。
圭吾は一瞬だけ黙り、低く言葉を落とした。
「……つまり、本心から思っていないことは言えないってわけか」
「そうね。そうだと思うわ。そんなこと、考えたこともなかったけど」
波瑠は少しだけ肩をすくめ、グラスを揺らす。
しかしその声音には、嘘の混じらない透明さがあった。
圭吾はしばし彼女を見つめたまま、胸の奥に熱が広がっていくのを感じる。
この女は、飾らない。
だからこそ、彼女の言葉は鋭く胸を撃ち抜く。
「……波瑠」
名前を呼ぶ声に、普段の余裕はなく、ただ真っ直ぐな想いだけが滲んでいた。
グラスを置いた圭吾が、ふと口元に笑みを浮かべた。
「……そろそろデザートはどうだ?」
その一言に、張り詰めていた空気がふっと和らぐ。
「ええ、いただきたいです」
波瑠が頷くと、テーブルの端に用意されていたプレートを引き寄せた。
圭吾がテーブルの端に置かれていたプレートを引き寄せると、そこには彩り豊かなケーキが整然と並んでいた。
「……え? こんなに?」
思わず身を乗り出した波瑠の目が輝く。
「何が好きかわからなかったからな」
圭吾はこともなげに言い、彼女の前へ皿を滑らせた。
「ありがとう……」
波瑠は嬉しそうに目を細め、ケーキを眺める。
「モンブランと……フルーツタルトと……ショートケーキ。どれにしようかな」
迷う彼女を見つめながら、圭吾は低く、決然と告げた。
「全部食べろ」
「それはちょっと…」
波瑠が驚きと笑いを混じえた声をあげると、圭吾は十二個並んだケーキをゆっくりと指さした。
「これ全部……お前のものだ」
「圭吾は食べないの?」
フォークを手にしたまま、波瑠が小首を傾げる。
「俺は……このチョコレートケーキだ」
圭吾は迷いなくひとつを選び、フォークを手にした。
「チョコレートが好きなの?」
問いかける波瑠に、彼は口元をわずかにほころばせる。
「ああ。ウィーンに行ってから、はまったんだ」
「そうなんだ……」
楽しげに笑うと、波瑠の胸の奥がじんわりと温かく満ちていく。
こうして隣で一緒にケーキを食べてくれることで、自分の誕生日がさらに豊かになった気がする。
胸いっぱいの幸福感に包まれながら、彼女は小さなフォークをまたケーキへと伸ばした。