溺愛している娘は俺の宝物だった
プロローグ~忘れられない想い
 プロローグ


 忘れられない、恋人。

 いつもの大人の割り切った恋とは違う。

 見た感じは大人っぽい。

 年齢的には、まだ十代で幼く子供。

 もう少し待って、自分の中の熱烈な想い。

 全部欲しがっている、執着愛。

 刹那ではなく、悠久の片割れだと信じていること。

 伝えるつもりだった。

 だが、それは儚くて消えてしまった。

 会社を起業していても、まだまだ自分も二十歳の子供で何もわかっていなかったのかもしれない。

 俺らしくなく、躊躇してしまった。

 すぐさま手を伸ばさないと、自分の手のひらにいるつもりでも、切実な宝物を逃すことがあるなんて。

 苦すぎる、初恋。

 もう二度と、こんな切たる想いを抱くことはないと思っていたーー。



 ~想起する恋情が溢れ出す。この手のぬくもり中で。〜



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