溺愛している娘は俺の宝物だった
君を知りたい
1
「かなえ、無理だって」
高校が終わってすぐ茶色の基調の制服姿のまま、クラスメイトの縁戚のかなえに、私はぐいぐいひっぱられ連れて行かれる。
待ち合わせの公園は、通っている学校からすぐ近くだった。
少し大きめの整備の行き届いた、桜の並木道が有名な場所である。
でも今は、夏休みが終わったばかり。
ようやく涼しげな風が吹き、空が茜色に染まる中、私はかなえと公園へ入ってゆく。
「だめもとで訴えるの。ゆみ、手伝って」
強引な気の強いかなえは、私と遠縁で繋がりがある。
訳ありの私を何かと世話を焼いてくれていて、かなえのことは嫌いじゃない。
今回の件は、困り果てていた。
「あっ、あの車だわ」
公園の広々とした駐車場に、黒塗りのベンツがとまっていた。
車の脇に、切れ長の瞳を持つ美貌の青年は、洗練された上品な紺のスーツ姿でが立っていた。
どこかで見たことあるような?
私は、妙な胸騒ぎとともに、胸の鼓動は波打ち始めていたーー。
「かなえ、無理だって」
高校が終わってすぐ茶色の基調の制服姿のまま、クラスメイトの縁戚のかなえに、私はぐいぐいひっぱられ連れて行かれる。
待ち合わせの公園は、通っている学校からすぐ近くだった。
少し大きめの整備の行き届いた、桜の並木道が有名な場所である。
でも今は、夏休みが終わったばかり。
ようやく涼しげな風が吹き、空が茜色に染まる中、私はかなえと公園へ入ってゆく。
「だめもとで訴えるの。ゆみ、手伝って」
強引な気の強いかなえは、私と遠縁で繋がりがある。
訳ありの私を何かと世話を焼いてくれていて、かなえのことは嫌いじゃない。
今回の件は、困り果てていた。
「あっ、あの車だわ」
公園の広々とした駐車場に、黒塗りのベンツがとまっていた。
車の脇に、切れ長の瞳を持つ美貌の青年は、洗練された上品な紺のスーツ姿でが立っていた。
どこかで見たことあるような?
私は、妙な胸騒ぎとともに、胸の鼓動は波打ち始めていたーー。