どっちの愛も、重すぎて息ができない。

第5話 加速する独占欲

***
─放課後


靴を履き替えていると背後から足音がした。
『莉奈』

振り返ると奏多。そしてそのまま当然のように私のバッグを取った。

「え、自分で持てるよ、!」
「いいから。俺が持つ。」

軽くふっ、と笑って歩き出す。
下校中の子達の視線が集まる

『お似合いだね〜』なんて言葉をチラホラ
聞こえて顔が熱くなるのを感じる。

奏多はわざとらしく腰に手を回して、
「莉奈。帰りどこ寄る?俺、今日は莉奈とずっと一緒にいたい。」少し照れくさそうに

笑う奏多。照れてるとこ初めて見たかも、
って言うくらい珍しく照れている。

でも、どこか違和感があった、この手も。
まるで見せつけるみたいに。

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